エコ運転のすすめ
自動車一台が1年間に排出するCO2の量は?
二酸化炭素の排出量が増え、地球全体が温暖化の危機に直面しています。地球の平均気温は過去100年間では0.6℃しか上がっていませんが、今後100年間では6℃近く上がると予測されています。地域によって気温が大きく上昇し、雨が減って砂漠化が進むなど気候の変動が激しくなっています。
年間1万㎞の走行で(平均燃費10㎞/ℓの場合)
2ℓペットボトル58万6500本分のCO2を排出します
地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量は、日本全体で12億4800万トン(2002年度)にのぼっています。そのうち、約20%を運輸部門が占めています。クルマ1台が年間1万㎞を走行すると、2ℓペットボトルで58万6500本分(約2300㎏)ものCO2を排出することになります。
そして、それだけのCO2を吸収するためには、スギの木で160本分が必要となります。車を運転するなら、少しでも燃料やCO2の排出を少なくするエコ運転を心掛けたいものです。
4つの走行パターンと燃費
車は、発進・巡航・減速・停止のパターンを繰り返しながら走行しています。

各パターンで消費される燃料の比率を表したのが図1のグラフです。発進時に燃料が最も多く消費されていることがわかります。
特に、ゴー&ストップが多い市街地では全体の4割近くを占めており、停止状態から発進する時に多くの燃料を使っています。
次に多いのが、走行距離的には一番長い巡航時で全体の35%が消費されています。また、停止中の燃料消費は少量ですが、車が動いていないだけにムダな消費といえます。
エコ運転のポイントは?
エコ運転のコツは、燃料の消費を早める次のような運転操作をしないことです。
こんなことが無駄になっています!
- 発進の時に、アクセルを強く踏み込んでしまう
- 加速しすぎて目標速度を超えてしまう
- 前車との車間距離が短く、減速と加速を繰り返す
- すぐ先で停止するのに、加速を続けて減速しない
こうした燃料のムダをなくすため、それぞれ4つの走行パターンごとにエコ運転のポイントがあります。
1.発進する時はゆっくりスタート、ゆっくり加速
発進は、まず一呼吸置いてから、アクセルをゆっくり踏み込みましょう
2.巡航時は速度の変動を抑えて定速走行
アクセルの踏み込みを一定に保ち、速度変動を抑えましょう
- 加減速の繰り返しは燃費が悪化
頻繁に速度を変えるほど、多くの燃料が消費されます。 - 速度変動への対応は、予測運転で
他の車両の動きや交通状況、勾配、カーブなどの道路状況を予測し、ブレーキを使わずアクセル操作で対応しましょう。 -
巡航時には
- 速度の変動を抑えるため、ひとつ先の動きを見て運転
- 速度は控えめにしましょう。
3.減速、停止時は早めにアクセルオフ
前方の状況を判断して早めにアクセルを放しましょう
走行中の車は、アクセルを放しても惰性でしばらく走り続けます。停止位置を予測して、早めにアクセルを放します。60㎞から40㎞に減速すれば、惰性で200mも走行し6~10㏄の燃料が節約できます。さらに、燃料消費量だけでなく、タイヤやブレーキパッドの消耗を防ぎます。
4.下り坂ではエンジンブレーキを使用
エンジンブレーキを積極的に使いましょう
エンジンブレーキを使うと燃料の供給が停止される(燃料カット)ので、2%程度燃費が改善されます。停止位置が分かったら、早めにアクセルを放してエンジンブレーキで減速して下さい。坂道を下るときは、エンジンブレーキとシフトダウンの活用がポイントです。
5.エンジンをかけたらすぐ出発
暖機をする必要はないので、すぐ出発しましょう
エンジンをかけて、しばらく暖機運転をした方が良いというのは昔の話。現在の車では必要ありません。エンジンをかけてアイドリングで待っているより、すぐ走行した方が速く暖機され、燃料と時間を節約します。
6.車が停止したらアイドリングストップ
荷物の積み下ろし、駐停車の際はアイドリングをやめましょう
エンジンを始動するときに必要な燃料は、アイドリングの5秒分と同じ量です。
5秒以上アイドリングストップすれば省エネになります。
7.エアコンの使用は控えめに
夏場に温度を下げ過ぎないようにしましょう
真夏にエアコンをつけると、乗用車で50㎞毎に1ℓのガソリンを消費します。特に夏場に温度を下げ過ぎないことです。外気温25℃のときにエアコンを使用すると、燃料消費量は14%増加します。(燃費は12%悪化)
35℃の炎天下の場合、燃料消費量は38%増加します。(燃費は28%悪化)
エアコンの使い方は燃料消費量に大きな影響を与えますので、気象条件に応じて、こまめに温度・風量を調節して下さい。
8.タイヤの空気圧をこまめにチェック
出発時、走行前に点検しましょう
重い荷物を積んで走るとタイヤの空気圧が減っていることがよくあります。
空気圧が適正値より50KPa(0.5㎏/c㎡)不足した場合、市街地で2%、郊外で4%程度それぞれ燃費が悪くなります。